From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
相場の動きの説明の中では、
ちょくちょく「アノマリー」
という言葉を耳にします。
一般的には、
よく知られる理論や法則からは
説明できない事象の事をいいます。
ただ、投資の世界では、
さらに加えて、
経験的に感じている、あるいは
一部に知られている規則性がある
という意味で使います。
例えばこのようなものは、皆さんも
聞いたことがあるかもしれません。
「リターンリバーサル」
株価が下がっている銘柄は、
そのうちに反発する。
株価が上がった銘柄は
そのうちに下がる。
「モメンタム」
値下がりしている銘柄は、
そのうちさらに値下がりする。
値上がりしている銘柄は、
そのうちさらに値上がりする。
「1月効果」
1月の株式は、年度が替わり
新規資金が投入されるので上がる。
「4月効果」
1月効果と同じ意味で、
日本にあてはめたもの。
他にも、「曜日効果」
xx曜日は下がる
などが知られています。
こうしたものは、信じる、信じない
というどちらかの使い方になりますが、
どちらに転がるにせよ、簡単に自分で
検証できるものが多いはずです。
例えば、
リターンリバーサルとモメンタムは、
まったく逆のことを言っていますが、
「下がっている
(あるいは上がっている)」を
何日間で何&上がる、と定義し
かつ、
「そのうち」の期間を
明確に定義してみると、
誰でも簡単に検証することが
できるはずです。
ちょっと、やってみましょう。
「上がった」という定義を
1週間(あるいは5営業日)で
30%超えて上がった
とします。
「そのうち」という定義を、
1週間と定義したわけです。
この場合、
リターンリバーサルでは、
1週間で30%を超えて上がった銘柄は
その後、1週間以内に反転しはじめる。
と仮説を立てたことになります。
これを、1週間の騰落率で
+30%超えという銘柄を
スクリーニングし、
そうした銘柄を10ケースくらい
経過をみると、
信頼するに足りる説であるか
どうかが検証できます。
10ケースのうち、
5ケース該当では
サルがサイコロを投げて
偶数が出る確率と同じなので、
信頼できない。
8ケース該当では信頼に足る
という言い方ができます。
10月15日前場時点で、
1週間で±30%越の上昇、下落をした
プライム銘柄はありませんでしたが、
スタンダード、グロース市場では
いくつかありましたので、
ピックしておきます。
今後の値動きにご注目ください。
【 40%超上昇 】
9563 Atlas
【 30%越上昇 】
3803 イメージINF
4057 インタファクトリ
【 -30%以下 】
なし
簡単に検証できるので、
一度試してみてはいかがでしょう。
ただし、これを利用して
実際に売買に踏み切る前に、
流動性(どの程度の株が
日々取引されたか)を
確認しておいてください。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。