米中貿易摩擦の飛び火が日本に

2018.7.18
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

今週の相場は前回のブログで
お伝えした予想通り、

相場も良い感じに上向いています。

前回ブログ:相場がもっとも下がる原因とは
https://j-i-s.info/j-i-s/nikkan_180711/

今回は、前回ブログでお伝えしなかった
もし自動車に25%の関税がかかるとどうなるか、
試算してみましょう。

目で確認したい人向けに
数値も入れておきますが、
数字が苦手な人は流し読んでください。

重要なのは関税がかかった時、
どのように経済へ影響するかを
「予め知っておく」ことです。

大きな資金の流れを知っておくと、
株価が急落した時の対応も
他の投資家よりすばやく行えるでしょう。

まず、日本車の生産台数は
JAMA(日本自動車工業会)のデータによると、
昨年(2017年)の1年間で969万台です。

そのうち、米国向け輸出台数は
173万台(うちトヨタ 71万台=41%)となり、

金額では4.56兆円(日本の米国向け輸出額の30%)
一台あたり単価264万円となっています。

日本から米国へ輸出する車に
かかっている関税は現在2.5%ですが、
それが25%かかると仮定します。

増税額は、 25%-2.5%=22.5%です。

そして、関税をかけるアメリカの
新車販売台数は2016年に
過去最高の約1,755万台

(乗用車7,105,162台、小型トラック/SUV 10,445,189台)
を記録しました(Autodataより).

このうち、日本車のシェアは、

トヨタ:2,449,587台 (14.0%)
(うち71万台は日本からの輸出=174万台が現地生産、
ただしメキシコやカナダも現地生産としている)

日産:1,564,423台 (8.9%)
ホンダ:1,637,942台 (9.3%)
スバル:615,132台 (3.5%)
マツダ:297,773台 (1.7%)
三菱:96,267台 (0.5%)

となっています。

日本車メーカー全体では米国シェア約38%を占めており、
BIG3メーカーの合計が約46%
なので、

いかにアメリカで日本車が
売れているかがわかりますね。

売れる理由は、かつてのような安さではありません。

むしろ、平均より若干高い。
日本車は、中の上程度の価格帯です。

では、どこに魅力があるかといえば、
なんといっても品質の高さです。

壊れないのです。

壊れないという事は
ランニングコストの低さに直結しますし、

なにより、使いたいときに使える、
実用に向くわけですね。

これは、車を足とする米国では
大変に重要な要素です。

そして次にフォロー〈アフター)です。

アフターがしっかりしていると、
整備サービスでお金がとれるし、

顧客も安心できるので、
また次の販売につながる良さがあります。

実は、この2つの要素は、
ドイツ車などと比べるとむしろ劣っています。

たとえば、故障率の低さでは、
トヨタ(あるいはレクサス)ではありません。

ドイツのポルシェがダントツで、
最も壊れない車メーカー
です。

アフターも、ドイツ車と比べると
素晴らしいとはいえない。

しかし、ドイツ車は米国でも高価です。

特にポルシェは、1台の車体価格で
日本車が何台も買えるほど高価なので
一般の消費者向きの車ではありませんね。

しかも、いわゆる保険が
圧倒的に高い欠点があります。

高級スポーツカーは、
米国では保険が激高なのです。

いずれにしても、上には上があるけれど、
平均的な価格ではちょっと良い車、

というのが日本車なのです。

さて、仮に関税が高くなっても消費者は、
文句を言わずに日本車を買ってもらえる
のでしょうか?

輸出金額は 4.56兆円で、
それに対して22.5%の追加関税がかかりますから、

4.56 兆円 X 22.5% = 約1兆円
の関税がかかります。

当然これだけの金額が
販売価格に上乗せされますから、
実際に負担するのは、米国市民です。

1兆円という金額も凄いですが、
これだけでは済まないのです。

その理由として、

米国はメキシコやカナダから
輸入する自動車に関しても、
関税をかけようとしています。

なぜ日本車が関係するのか?

それは、日本車の半分以上が
メキシコやカナダを含む
北米で現地生産しています。

トヨタは3割が日本から輸出、
7割は現地生産です。

もし、日本車にだけ関税がかかる場合は、
日本車だけが割高になるので、
当然他社にシェアが移ります。

今回はライバルのドイツ車をはじめとする
欧州車も同じように関税がかかると
想定できますから、

もっぱら米国産の自動車が
売れる事になるでしょう。

その米国自身、メキシコで「現地生産」しているのですから、
消費者のためにはなっていない、

というのが、今後公聴会などで
フォーカスされてくるでしょう。

関税がかかる「その時」、
日本車のシェア低下も
ある程度覚悟しておく必要があります。

が、私は実際に発動されることには
ならないとみています。

仮に発動されても限定的であり、
ザルのように回避できるでしょう。

その時、日経平均は、
おそらく2万円を切らない、
とみています。

では、また次回をお楽しみに。

奥村尚

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奥村尚
奥村尚
・ジャパンインベストメントスクール講師 ・マーケット アナリスト ・マーケットの魔術師 20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。 1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。 2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。 2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。 2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。 2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。 趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。

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米中貿易摩擦の飛び火が日本にへのコメント

  1. 現地生産の比率が各社どれくらいあるのかが興味深いところですね。そこら辺をもっと記述して欲しかったですが。
     関税引き上げは確かにないかもしれませんが、トランプという男、何をやり出すかわからないから厄介ですね。

  2. お世話になっております。
    世界経済の動向についてなど、難しくて、入り口が分からない状態でしたが、奥村先生のお話で、意識を高く視野を広く持ちたいと考えるようになりました。
    世界中を飛び回るパワフルな先生で、いつも感心しています。
    これからもブログたのしみに読ませていただきます。

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