From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
今回の、世界的な株価の低迷の発端は、
米国の相互関税の発令です。
この今までの経緯を見ておきましょう。
なんとなく、
4月2日にいきなり発言したかのような
報道もされていますが、違います。
2024年の大統領選挙の時点で、
選挙の公約(アジェンダ47)というのが、
当時のトランプ候補陣営から発表されています。
この時の47の公約から、
今回の相互関税に関係する項目だけ
ピックすると、こうなります。
a 相互貿易法の創設、
b 普遍的基本関税の導入、
c 中国への依存の完全に排除
d 自動車産業の救済
a相互貿易法が、今回の相互関税のことでしょう。
その基幹をなすものが、b 普遍的基本関税です。
すなわち、
aが、日本に課せられた、14%の関税、
bが、どの国からの輸入に対しても必ず10%の関税をかける、
という意味になると思います。
aは、国によって異なるものの、EUは10%、日本は14%です。
bは、すべての国に平等にかならず10%となっています。
これを考えると、
昨年から、周到に準備されてきた内容を
4月2日に発表したにすぎない、
という言い方ができます。
実は、4月2日に発表した相互関税には、
10%未満の国はひとつもありません。
ということは、10%とした国は、
最も優遇されていることになります。
目立つところを見てゆくと、
===
UK
Beazil
Israel
Australia
New Zealand
Turky
Saugi Arabiaをはじめとする中東産油国
Egypt
===
などです。
昔からの超友好国、および、
地政学的に重要なリーダー国のみ、です。
さらに、中国は名指しで、
依存を完全に排除、と明記されていますし、
自動車産業も、名指しで救済する、
と明記されています。
そして、これは選挙公約。
これを前提にトランプ候補が大統領に当選した
という事実を考えると、
大統領としては公約を遂行する
の一言で、全てが説明できてしまうことになります。
こう考えると、
日本がどうあがいても、
10%以下の関税にすることは不可能、
自動車、鉄鋼に課される+14%の関税も交渉することは、難しい
と言い切れるのではないでしょうか?
できることは、
鉄鋼自動車を除く、極力最大の産業に対して、
+14%を0まで交渉する
つまり、
全ての米国輸出にたいして、10%の関税を飲む
鉄鋼、自動車は+14%の関税をひとまず受け、
そのほかの産業は、+0を認めさせる
というのが、いまの米国に対して最大限、
引き出せる内容になるでしょう。
これをひっくり返せれば政治的勝利、
これ以下の内容になれば、政治的敗北
といえそうですね。
日本は、首相を交代させようが、政権が交代しようが、
米大統領が変わらない限り、
状況を変えることは難しいでしょう。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。