2つの指数、TOPIXと日経平均を顧みる

2025.9.24
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

日本の株式相場を観るとき、
日経平均やTOPIXなどの指数を
まず意識すると思います。

ニュースを見る限り、
日経平均(だけ)を
報道している感があります。

日経新聞社とタイアップしている
テレ東は仕方ないのですが、

他局も、概ね日経平均を
ニュースして終わりでしょう。

さて、日経平均とTOPIXは、
かなり性格が違う指数です。

日経平均は、
日経新聞社が選定した
225の上場銘柄で構成され、

その225銘柄の平均株価を

日経独自の計算式で
日経新聞社が算出、発表しています。

いまのところ、
東証プライム銘柄で
構成されており、

定期的に銘柄は
入れ替えがあります。

基本的には、
株価を単純平均するため、

単価が大きな値嵩株に
影響されやすい指数です。

8月末日時点でのウェイト
(影響を与える株式と比率)は、
以下のようです。

これに対しTOPIXは、

プライム市場の
全銘柄の時価総額を指数化して
株式市場全体の動きを表します。

東京証券取引所(東証)が
算出、発表しています。

株価ではなく、
企業の時価総額を計算し、
その合計(今のプライム市場の時価総額と一致する数字)を、

基準日である
1968年1月4日の時価総額を
100として指数化しています。

東証が定期的に
ウェイトを発表していますが、
直近のものは以下のようです。

構成銘柄のウェイトが
ずいぶん異なることが
わかると思います。

ウェイトとは要するに、
トップ10企業の株価が、
指数に与える影響です。

日経平均とTOPIXで、
両者のウェイトtop10に登場する企業は、
それぞれ大きな企業ですが、

共通して登場する企業はありませんね。

たとえば、
日本最大の企業とはつまり、

価値が最大=時価総額が最大

の企業です。

トピックスで最大のウェイトをもつ
トヨタが1位です。

日本最大の企業、
時価総額1位のトヨタにして、

TOPIXに与える影響は、
たった3.43%なんですね。

日経平均のウェイト1位である
ファストリは、
どうでしょうか。

1社で、実にウェイトが
8.82%もあります。

日経平均に対して
8.82%を占めるわけです。

日経平均4万5千円のとき、
ファストリのウェイトは、
4万5千円x8.82%= 3969円あります。

つまり、

ファストリの株価が10%下落すると、
この1社だけで、
日経平均が397円も下がる

ということです。

TOPIXにもファストリは
一定のウェイトがありますが、26位。

TOPIXに対して、
0.79%しかウェイトはありません。

日経平均に対しては、
8.82%もウェイトがありますので、
実に11.1倍も関与の度合いが高いのですが、

逆に、日本では26位の時価総額なので、
TOPIXへのウェイトは取るに
足らないものの量である、と言えます。

日経平均は、
けっこう歪(いびつ)な指数で
あることがわかると思います。

奥村尚

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