From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
日本の株式相場を観るとき、
日経平均やTOPIXなどの指数を
まず意識すると思います。
ニュースを見る限り、
日経平均(だけ)を
報道している感があります。
日経新聞社とタイアップしている
テレ東は仕方ないのですが、
他局も、概ね日経平均を
ニュースして終わりでしょう。
さて、日経平均とTOPIXは、
かなり性格が違う指数です。
日経平均は、
日経新聞社が選定した
225の上場銘柄で構成され、
その225銘柄の平均株価を
日経独自の計算式で
日経新聞社が算出、発表しています。
いまのところ、
東証プライム銘柄で
構成されており、
定期的に銘柄は
入れ替えがあります。
基本的には、
株価を単純平均するため、
単価が大きな値嵩株に
影響されやすい指数です。
8月末日時点でのウェイト
(影響を与える株式と比率)は、
以下のようです。
これに対しTOPIXは、
プライム市場の
全銘柄の時価総額を指数化して
株式市場全体の動きを表します。
東京証券取引所(東証)が
算出、発表しています。
株価ではなく、
企業の時価総額を計算し、
その合計(今のプライム市場の時価総額と一致する数字)を、
基準日である
1968年1月4日の時価総額を
100として指数化しています。
東証が定期的に
ウェイトを発表していますが、
直近のものは以下のようです。
構成銘柄のウェイトが
ずいぶん異なることが
わかると思います。
ウェイトとは要するに、
トップ10企業の株価が、
指数に与える影響です。
日経平均とTOPIXで、
両者のウェイトtop10に登場する企業は、
それぞれ大きな企業ですが、
共通して登場する企業はありませんね。
たとえば、
日本最大の企業とはつまり、
価値が最大=時価総額が最大
の企業です。
トピックスで最大のウェイトをもつ
トヨタが1位です。
日本最大の企業、
時価総額1位のトヨタにして、
TOPIXに与える影響は、
たった3.43%なんですね。
日経平均のウェイト1位である
ファストリは、
どうでしょうか。
1社で、実にウェイトが
8.82%もあります。
日経平均に対して
8.82%を占めるわけです。
日経平均4万5千円のとき、
ファストリのウェイトは、
4万5千円x8.82%= 3969円あります。
つまり、
ファストリの株価が10%下落すると、
この1社だけで、
日経平均が397円も下がる
ということです。
TOPIXにもファストリは
一定のウェイトがありますが、26位。
TOPIXに対して、
0.79%しかウェイトはありません。
日経平均に対しては、
8.82%もウェイトがありますので、
実に11.1倍も関与の度合いが高いのですが、
逆に、日本では26位の時価総額なので、
TOPIXへのウェイトは取るに
足らないものの量である、と言えます。
日経平均は、
けっこう歪(いびつ)な指数で
あることがわかると思います。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。