サーキットブレーカーとは?

2025.10.8
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

日経平均が、前日比
どれくらい下がることがあったのか、

というニュースを
常日頃、見ますよね。

ニュースでは、
通常は、終値ベースで、
前日比をみて報道しますが、

こと下げたときに関しては、
ニュースでは、

瞬間最大風速である安値ベースで、
『ここまで下げた』
と大げさにニュースします。

安値ベースだと、
一番下げた地点であり、

瞬間最大で下げた
ところですので、

実態よりいかにも大げさに
『下げた』ことを誇張されます。

実際には、
ニュースを観ている時点では、
その瞬間を通り過ぎていますので、

安値での状況よりはずっと
マシになっているはずです。

終値ベースと安値ベースで、
どれほど違うのでしょう。

その前に、東証のルールを
知っておきましょう。

東証の株式取引では、
暴落が起こったときに、

その暴落が売りを呼び
さらに暴落するということが
おきないように、

サーキットブレーカーという
制度が設けられています。

サーキットブレーカーとは、
本来、電気用語です。

サーキット(回路)を
ブレーカーで強制的に遮断する、
という意味です。

一般家庭でも、ヘアードライヤー、
電子レンジ、ポットなどを
ガンガン同時に使うと

電力を使いすぎて
電流が多く流れます。

そうすると、契約アンペア
を超えることが起こります。

そうした状態が家ごとに
起こってしまう場合、

それを放置しておくと、
地域全体の系統として
超過電流が多く流れ、

発電量を上回る
消費が行われるので、

発電機が悲鳴を上げて
シャットダウンします。

停電です。

ひとたび停電が起こると、
発電所では、すぐに立ち上げる
ことができません。

状態を確認し、安全を確認し、
再スタートをはかるまでに、
へたすると数日かかります。

そうならないように、各家には、
必ずブレーカーがあります。

家のマスターブレーカーが
自動的に落ちる事を
経験した方は多いことでしょう。

一度遮断されると、
その家の電源は完全に落ちるので、

いったんすべての回路が
遮断されます。

そうすることで地域全体を守る、
というわけです。

それを同じことを、
取引所が行っています。

株価に対して取引の
制限値を設けることで、

相場の異常な暴落
(あるいは暴騰)の時は、
取引を一時中止する、

というわけです。

一時中止することで、
投資家に対して
冷静な判断時間を与えることで、

結果として相場を安定化させます。

個別株では、
株価毎に水準毎に値幅が決められ、

それを超えると
サーキットブレーカーが発動します。

値幅の一例をあげておきましょう。

100円未満 ±30円
1000円未満 ±150円
10000円未満 ±1500円
百万円未満 15万円

という具合です.

時間軸でも制御されています.

たとえば、二営業日連続で
異常な取引があると、
3営業日から値幅値を拡大する、

などです。

先物やオプションでも、
定められています。

先物では、
前日比上下8%となっています。

8%が連日超えるようだと、
最大16%まで拡大できる
細かなルールになっています。

オプションでは、
価格毎に4%から11%まで
値幅が設けられ、

拡大できるルールもあります。

まぁ、ざっくり書くと、
8%の下落が起こると、相場は

サーキットブレーカーが発動され、
取引一時停止になります。

2011年3月15日は、
東日本大震災発生があり、

日経平均が大きく下落、
サーキットブレーカーが
発動されました。

この日は、瞬間最大風速
-18.27%まで下落しました。

が、終値ベースでは、
-10.04%の下落となっています。

サーキットブレーカーが
よく機能していたと言えましょう。

奥村尚

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