From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
こんにちわは、奥村です。
ゴールデンウィークも後半に入りました。
来週早々、フランス大統領選、
韓国大統領選が立て続きにあります。
北朝鮮の状況も中だるみ感はあるものの、
収まったわけではありません。
しかし、株価は何事もなかったかのように、
2月の水準に戻ってしまいました。
上げるには理由があり、
その理由が企業業績の好調さにはあるわけですが、
そんなことは前からわかっています。
あとは、国際事情による円安や心理的問題でしょう。
一旦、期待と違うアウトプットが
出たら大きく下げる状況ですね。
さて、数字を当てはめて、単純化してみましょう。
まずフランス。
市場は明らかにマクロンを支持しています。
ルペンになったらユーロ崩壊が近づくからです。
マクロンの支持率は60%ルペンが40%です。
支持率と確率は違いまずが
仮にマクロンの当選確率は60%としましょう。
これは来週月曜日に結果がでます。
次に北朝鮮。
市場は平和的解決を支持しています。
しかし、核開発を止めない国に対し核を持つ前に
抑止する権利を行使できるこの機会を
生かしたい大国のルールも一方で明確に存在します。
ここでは、少し楽観的な市場の雰囲気に
合わせて確率的に80%が平和的解決ができるとしてみましょう。
準備が整いました。
2つの事象があり、
case1 どちらも事情の予想通りである確率
60% * 80% =48% です。
case2 少なくともどちらかが期待に反するる確率
1-48%=52%です。
case2は52%、半分を超えていますね。
半分以上は負けるというcase2の確率的リスクを負担して、
昨日株を買うとします。
そのリスクに見合うリターンは、大きくあるべきです。
でも、おそらく、そうなりません。
case1が起きても市場の上げはせいぜい200-300円くらいでしょう。
サプライズはなく、市場は織り込済み、
ということであまり上がらないかもしれない。
では、case2が起こると、どうなるでしょう。
大きく下げると思います。サプライズがおこるからです。
48%の確率で上げるにしても少ししか上げない株
かつ
52%の確率で大きく下げる株
を、みなさんは買いますか?
数値化すると、結論は明らかです。
リスクを負担するなら、
それに見合ったリターン
(リスクプレムアムといいます)がないと、
損します。
僕が仮定した数値を多少いじって変えても、
結果は変わりません。
単純化、数値化のこうした考え方は、
物事を整理し合理的に考える際役に立ちます。
では、次回をお楽しみに。
奥村尚
PS.
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今日話した内容のように、
知っていれば当たり前に利用できる
「相場の基礎」とは何なのか?
をお伝えいしています。
重要なことなので少しでも
多くの方にご覧いただければと思います。
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。
初めまして。
確かに、自分もこのタイミングで買いを仕掛けるのはどうなのか?と、感じますし、何よりメディアが掲げてる世論調査程、信用出来ない物は無いと自分は見て居ます(こと、グローバルに絡んだ事柄に関して言うならばは尚更です)。
去年の内容になりますが、英国のEU離脱を問う国民投票も、米の次期大統領選挙も、その大元に有るのはグローバルと言う流れで有り、その流れに反する候補を(今回の仏大統領選挙もマクロンは中道、ルペンは極右と世間を誤った認識に導く目論見が有るとしか思えない記載で謳って居る事からも明らかです)。
自分から言わせれば『10中8割とか9割とかならま理解出来るとしても支持率がほぼ拮抗して居る状況の中で(自分は6:4程度なら支持率的にはほぼ拮抗して居ると見ます)、何でメディアの世論調査を見て市場はそこまで楽観視出来るんだ?』と、不思議に思えてなりません。
市場がそこまで楽観視して居ると言う事は、当然想定とは逆の結果に向かったら大きく下げるのも有る意味必然とも言えますね。
リナードルさん
コメントありがとうございます。
そうですね。今の状況は、case1とcase2の確率*リターンの合計=期待値がマイナスなんですね。
リスクを取る覚悟で市場に挑む精神は重要ですが、当たりくじが少ないとわかっているくじをひくのは合理的ではないですね。
なるほど、
今までは、世論に耳を傾けながら、複雑に考え、結局のところ何もかも予想はずれで、損失を出すことが多かったのですが、
数値化すると、思惑にふるまわされるより単純で分かりやすいです。
合理的です。
HANAKOさん、
コメントありがとうございます。
長い目で見ると、こうして(確率、期待値という)数値に落として合理的に考えると、
総合的に勝負に勝てます。捨て身の勝負とか、根性や精神力というものは、せいぜい最後の調味料であり、
基本は合理的な処理で変化を読むという事につきます。
奥村先生、こんにちは。
大型株、つまり先生や一流のアナリストの方がカバーしていらっしゃる東証一部の超優良銘柄は日経平均と連動することも多く今回のような懸念を最優先させるべきだと思いました。
しかしながら、その場の需給やマナーゲーム的に株価がふわふわ動く新興株の方は今後どのように見ていけばよろしいでしょうか。