From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
奥村です。
今日は、投資手法を編み出し世に
送り出す時までの手順を説明しながら、
今の相場とあわせて「なんとなく」
述べてみたいと思います。
バリュー株投資という手法があります。
バリュー株とは、株価から時価総額を
計算しそれを自己資本と比較して
極端に低いもので、低位株ともいいます。
(他の定義もありますが、
重要ではありませんので
細かい相違は無視してください)
時価総額の小さな銘柄であり、
あまり投資家が期待していない銘柄なので、
少しでも良いサプライズがあると上がりやすいのです。
逆に、高位株は、
投資家の期待が高いので割高な水準であり、
良い経営成績だとしても、
それが少しでも市場の期待を下回る場合、
下がりやすい傾向にあります。
これは、シカゴ大学の天才、ファーマが編み出した手法で、
その弟子のバンツが、市場データを使い検証し、
NY市場の時価総額の小さい20%の銘柄は、
大型株の収益を6%上回っている事を証明しました。
小型株プレミアムと呼ばれるものです。
その考えをあなたが知り、
実際にどのように日本の株式にあてはめて発掘するか、
手法も見つけたとしましょう。
たとえば、PBRを見て
低い方をスクリーニングすることで
簡単に銘柄を特定できるぞ、といった具合です。
アマは、その方法をお金で運用して試してみるでしょう。
そして、お、これはうまくいくぞ、
よし、運用するお金を増やしてみよう!
とくるのではないでしょうか。
プロは(たぶん)違います。
その手法で株式を発見できたとして、
実際にお金を運用する前に、テストしまくります。
売買のタイミング条件や設定期間、
スクリーニングの条件を変えて
いろいろなケースで本当に
成功できる方法かどうかを検証するのです。
想定するあらゆる状況で、
投資資金はどう増えるのか(あるいは減るのか)を
時系列数値で示したうえで、
その手法のリスクとリターンの特徴を数値化します。
この世は相対なので、この手法単体で
増えたかどうかを見るだけではなく、
何か基準(たとえば株価指数)と比べて比較するでしょう。
いろいろなケースを数多く試し、
いつでもどんな局面でも確率的に
良い値で成功する、
といいきれる場合(統計的に有意といいます)、
初めてこの方法は有効であるという結論になります。
そういうプロセスを経ると、残念ながら、
多くの場合は無効である、という結論になります。
良い手法でも、時期や設定が変わると、
結果がガラリとかわります。
どの年でも、どんな相場の局面でも、
うまくゆく手法というのは、
なかなか存在しない理由がそこにあります。
ネット上であちこちに氾濫する
‘相場で100%確実な勝利の方程式’のようなうたい文句は、
自らが怪しいですよ、といっているようなものなのですね。
今年は、3月まで小型株は良いパフォーマンスでした。
4月以降、その勢いはすっかりなくなり、
大型株がパフォーマンスよく上がってきています。
低位株で成功するのは、
3月で終わってしまったことになります。
大型株が上がり、市場も上がってゆく場合、
相場全体が良い方向に向かう初動であり
大相場の兆候でもあります。
今後に期待しましょう。
では、次回をお楽しみに
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。
モーニングスターでは、株を以下の基準でバリューとグロースと定義しているらしい。
「銘柄の株価収益率(銘柄PER)を市場平均の株価収益率(平均PER)で割った数値が相対PER。また、銘柄の株価純資産倍率(銘柄PBR)を市場平均の株価純資産倍率(平均PBR)で割った数値が相対PBR。算出された相対PERと相対PBRを加算して、1.875以下をバリュー型、2.125以上をグロース型としている。バリュー型、グロース型とは、株式運用の代表的な運用スタイル名で、日本語を当てると前者は「割安株投資」、後者は「成長株投資」となる)
バリュー型の運用は、株式の本来の価値よりも安いと判断する銘柄にウエートをかけることで、市場平均を上回る収益率を上げようとするアプローチ。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、あるいは、ファンドマネジャー独自の株価評価尺度を使って、相対的に割安な銘柄を見つけようとすることが多い。
他方、グロース型は、利益の成長率が高い銘柄に重点的に投資して、利益成長に伴う株価の上昇で収益を上げようとする。個々の企業やビジネス分野の調査がベースになる。このアプローチは、うまくいっているときには、運用者が先見性を発揮しているように見えるので、顧客受けがいい。
どちらの運用スタイルでも、運用者は市場平均に勝る運用パフォーマンスを上げようとするが、目的を達成するためには、バリュー型では「他の市場参加者よりも正確に株式の価値を評価する」ことができなければならない。グロース型では「他の市場参加者に先んじて企業の利益成長の可能性を見出す」ことができなければならない。「他の市場参加者」を出し抜かなければならないことは共通。
バリューとグロースは、運用の考え方であり、銘柄の属性そのものではない。しかし運用業界では「バリュー銘柄」「グロース銘柄」のように銘柄の属性として二つの概念を使う場合があるようだ。