コロナワクチンが与える財政への影響

2021.5.5
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今後、大阪、東京を中心に、
都心の自由会場でワクチンの接種機会が
増えてくるようです。

自衛隊を活用するそうですが、それでも、
1日1万人というニュースでした。

未だに電話を使って予約するとか、
いちいち 10 分もかけて医者が
一人ひとり問診するとか、

相変わらず無駄に多大な時間をかける

みたいですが、、、

国民IDで login させて事前に記入、
問診結果まで出すところまでは、
クラウド上で完結できそうなものです。

海外に行く必要がある人には
ワクチンパスポートは必携ですから、

IT でギリギリまで効率化し、
それを利用できる人優先で、

まずはどんどん先行させる
工夫をしてほしいものです。

いずれにしても、これから、
普通の生活者である我々も
ワクチンを打つ番が回ってきます。

この機会に、ワクチンに関する
雑知識をまとめてみました。

まず、ワクチンは2つの方式があります。

1つ目は『mRNA』です。

これは、今までになかった方式です。
ウィルスの正確な遺伝子の配列をつかって、
ウィルスが感染したような細胞を作ります
(スパイク蛋白)。

体内を循環する免疫細胞が
スパイク蛋白と結合して、

細胞を排除する自然免疫と
抗体をつくる獲得免疫としてはたらきます。

従来は、ウィルスを弱体化させたり不活性化
させたりして、ワクチンを開発してきたの
ですが、その方法では5年はかかります。

それが1年でできたのですから、驚異的です。

非常に低い温度で貯蔵する必要があり、
費用も高価です。

2つ目は『ウィルスベクター』です。

ベクター(vector)は、数学では
ベクトルとして方向を持った量
という意味で使いますが、

ここでは『遺伝子の運び屋』という
意味として使っているようです。

チンパンジーのアデノウィルス
(人体な無害な改造ウィルス)を運び屋
として利用して、

新型コロナ遺伝子を人間の細胞に運ぶと、
体内の遺伝子から抗体がつくられ
免疫ができる仕組みです。

人体がベクターに対する免疫をもつと
効かなくなる可能性があるようです。

次に価格です。

ワクチンの一人分の価格、
どれくらいになるか、

皆さんはご存じでしょうか?

ワクチンの買い入れ価格は、
政府と製薬会社の間で調達金額がまとめて
契約され、その内容は公表されません。

ただ、米政府が行った契約は昨年7月に
ロイターなどでニュースされ、世界に配信
されたので、そこから類推できます。

ファイザーとの契約価格は、

1億回分のワクチン、19.5 億ドルでした。

1回 19.5 ドル、一人当たりに換算すると、
一人2回行うので、39 ドル、4,100 円の
薬剤であるということになります。

ほかの会社のワクチンも、
目的が同じものであり、効果も大差ない
(というよりファイザーの方が優れている)
ので、

この1回 2,000 円くらい、
一人 4,000 円くらい、というのは
リファレンス(基準)になると思います。

日本で近いうちに打つことになるだろう
4つのワクチンを表にしてみました。

日本の単価ではありますが、
注射予算として盛り込んだ費用では、

1回 2,070 円を上限として
国が負担することを予算化されています。

これは接種にかかる人員、会場、器具の経費
としての負担金ということになります。

肝心の薬代は別みたいです。

たぶんカネに糸目をつけずに入手して
いるので公表しないと思いますが、

単純化すると、1回の接種で薬代 2,000 円、
その他 2,000 円、合計 4,000 円程度の
コストがかかるということになります。

実際には、海外からの薬剤の運搬コストも
加わりますが、1回の運搬で大量のヤクを
仕入れますから、

わずかなもので無視できそうです。

なお、現在の他の定期接種での、
厚生労働省が設定している接種単価は、
こうなっています。

DPT(ジフテリアなど) 6,552 円
MR 9,382 円
日本脳炎 6,942 円
BCG 7,434 円
ポリオ 623 円
(参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021b99-att/2r98520000021bc0.pdf

ポリオは集団接種が前提となっているので
極端に安いのですが、これをみると、

コロナワクチンは案外リーズナブルである

ことがわかります。

しかし、日本の人口1億 2,500 万人
(2021年4月1日)全員に打つわけですから、

最低でも 5,000 億円の予算化が必要

ということになります。

コロナワクチンに関しては、
他のものと異なり、2回打ったり、
毎年打つ必要もある(かもしれない)ので、

トータルでは、かなりのコストですね。

来年以降は有料化されるかもしれません。

その時は、1回の注射で完結する
J&J のワクチンは価格の安さと合わせて、
最も魅力的なワクチンになるでしょう。

奥村尚

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