先物指数と現物指数の関係

2018.9.19
Share:

From:奥村尚
ワシントンD.C.のホテルより、、、

おはようございます。

これからの相場は
上がるでしょうか?

それとも、下がるのでしょうか。

実は、相場というものは
『上にいくか、下に行くか』の
2通りしかありません。

今回は、3か月という期間(中期)で、
『上がるか、下がるか』という条件に
限定してお話したいと思います。

どちらかをあてずっぽうで予想するなら、
本来は『上がる』と読むと

『下がる』よりも少しだけ
確からしさが上がります。

これは、株式が長期的には上がり続けてきた
ということで説明しやすいのですが、
本質的な理由は別にあります。

本質的には、
1万円を債券で運用する場合と、
株式で運用する場合を考え、

株式で運用する方が
有利な経済状況である場合、

株式投資が有利である
ということです。

別の言葉でおおざっぱに言うならば、

株式は、企業成長(経済成長)が
インフレを上回っている場合に限って
上がるのです。

現在、まさにそうなっています。

今の日本は、
インフレがマイナス(あるいはほぼゼロ)、
企業成長はプラスです。

なので株はじゃんじゃん
上がってしかるべきです。

じゃんじゃん上がるとは、
現在より必ず将来が高くなる、
ということです。

ところが、日経平均の指数(現物指数)と
日経先物指数をみると、

株式の先物指数は、
必ず現物指数より安くなっています。

あれれ、今の方が高い。将来は安い。

おかしい。不思議ですね。

なぜ、先物指数(商品としての日経先物)は
現物指数(商品としての225銘柄の株式)
よりも安く取引されているのでしょうか?

これは、次の原理によります。

<先物指数>
・現物指数の将来の値と
 投資家が予想する価格
・現物指数の将来の理論価格
・現物指数より金利相当分と先物の価値が
 変化する

金利相当分とは、
(短期金利-配当利回り)のことです。

配当利回りは、
日経平均の株式を所有した際に

将来もらえるであろう配当金と
今の取得時価の割合
であり、
現在は1.79~1.93%です。

短期金利とは、
短期期間における確定利回りの金利です。

(短期金利-配当利回り)を
計算することで、

今、仮に日経225現物指数が
2万3000円だった場合、

そのお金を返済確実な人に貸して
運用するケースと、

株式に投資して配当を確実にもらうケースを
比較するわけです。

実務的には、TIBORと呼ばれる
銀行間の短期貸し借り金利
用いるのが普通です。

全銀協発表によると、
TIBORは1週間のもので
9/14日時点で-0.00455です。

日経新聞によると、
日経平均配当利回りは、
9/14日時点で0.00185です。

従って、金利相当分は、
-0.00455-0.00185
=-0.0064
=-0.64%

であり、先物は、簡単に言えば、
0.64%だけ、現物指数より割安になります。

今、日経平均が2万3000円だとすると、
先物はそれより0.64%安い、
2万2853円が理論価格になるのです。

(厳密には、SQまでの期間に合わせて
金利区間を調整計算しますし、

複利で計算する場合もあり、
複雑な計算になり理論価格は
少し異なりますが。)

インフレがある本来の社会では、
短期金利の方が大きいので、

(短期金利-配当利回り)はプラスとなり、
先物は高くなります。

現在の日本は、短期金利は限りなくゼロ、
あるいはマイナスです。

しかも、株式の配当利回りが大きいので、
金利相当分(短期金利-配当利回り)は、
ずっとマイナスを続けています。

従って、
現在の株式指数>将来の株式先物指数
になります。

金利を考えると、
今の株式をもっている方が価値が大きく、
将来は値下がる。

だから先物は現物より安く取引されている、
という基本に基づいて先物指数が決定され、
取引されているわけです。

時折、私が口を酸っぱくして述べる金利は、
こうした理論式でも登場しているのですね。

この金利が、EU、米国、日本の
相対的な経済関係、ひいては
貨幣交換レート(FX)を決定するので、

マクロ経済という大きな関係と紐づきます。

これは単純に原理として覚えておいて
損はありません。

少し難しくなりましたが、
金利、株式、為替、の関係は
相互に影響を与えますが、

大元は金利なのだと考えると、
経済や金融の動きは上手に説明できます。

それでは、また次回。

奥村尚

<編集部のオススメ>
あなたが効率よく資産を増やすために、
先物取引はベストな市場です。

「知らなかった」

と後悔する前に、
今すぐその理由をご確認ください。

http://japan-i-school.jp/jim/180925_seminar/

The following two tabs change content below.
奥村尚
奥村尚
・ジャパンインベストメントスクール講師 ・マーケット アナリスト ・マーケットの魔術師 20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。 1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。 2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。 2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。 2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。 2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。 趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。

関連記事

Pic Up!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。