【初の赤字決算】三菱商事、業績不振の真実

2016.3.28
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From:不動修太郎
東京の自宅にて、、、

少し前までは、給料が高く、
世界を股にかけ、スケールの大きい
仕事ができるとして人気があった総合商社。

ところが、読売新聞の一面に
総合商社の業績に関する大きな記事が載りました。

三菱商事は3月24日、2016年3月期連結決算(国際会計基準)の
税引き後利益が1500億円の赤字になる見通しだと発表しました。

前期は4000億円以上の黒字でしたから、
通期では黒字です。

実は、1954年に現在の三菱商事が発足して以来、
今回は初めて税引き後利益が赤字となったので、
マスコミで大きく取り上げられる等の注目を集めています。

まずは同社の2年間の株価チャートを見て下さい。
最近は株価が下がっていますね。

図1 (2)

三菱商事が巨額の損失を出した理由は、
チリ等海外での銅の開発事業などで
計約4300億円の損失を計上するからです。

三井物産も初めて税引き後利益が赤字に転落する見通しで、
中国など新興国経済の成長期待に支えられてきた資源価格の低迷が、
大手商社の経営に影響しています。

では、銅の価格を見てみましょう。

図2
出典:http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pcopp.html

銅は「金(きん)とおなじ」と書きますが、
金(きん)よりも値動きが大きいです。

チリの銅というとある銅山が落盤事故を
起こして鉱山に閉じ込められた作業員を
救出したことが記憶に新しいですね。

あの事故が起きた頃は銅の価格がドンドン上がっていたので、
深くまで坑道を掘っていたのです。

その頃は、安く仕入れた電線のクズなど
銅の中古品がものすごく値上がりしたのです。

なので、東京の銀座に行くと銅などの
廃品回収、中古売買で大儲けした業者さんが、
高いお店でいいお酒を飲んでいました。

電線やケーブルなどに使われる銅の価格は
景気に大きく左右されます。

特に中国の需要が落ち込み、
国際的な取引価格の下落傾向が続いている
中国経済の先行き不透明感は、なお強く、
資源価格が大幅に上がる可能性は低いです。

ですから三菱商事を始めとする日本の商社は
投資に見合った利益が得られないと判断し、
資産価値を見直しています。

原油、銅等の地下資源の価格が大きく上がる
可能性は低いので、これからは
商社には厳しい時代になります。

このように景気は地下資源など商品の
価格に影響し、それが株価に跳ね返ります。
 

商社の株を取引されている方は、
その企業が扱う商品そのものの動向をチェックすることも
一つの指標として重要です。

不動修太郎

 

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