原油価格と株価の関係

2016.5.2
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From:不動修太郎
東京の自宅にて、、、

こんにちは。
不動です。

関東地方ではツツジが咲き始めました。
この花が咲くとゴールデンウィークですね。

さて、前回の記事の続きとして
原油の見通しについて書きましょう。

振り返ると原油価格がこれまで大きく下がったのは、
なんといってもアメリカのシェールガス採掘の影響ですね。

アメリカは世界最大の産油国ではありますが、
一国で世界の石油の4割を消費します。

ですからこれまでは、アメリカが石油の
世界最大の輸入国でもありました。

シェールガスが開発されたので、アメリカは
逆に石油の輸出国になると言われていました。

これまではアメリカ国内での石油価格が
上がりすぎないように連邦法でアメリカからの
石油輸出を禁止していましたが、

最近はアメリカから石油が輸出を解禁する
議論が出てきています。

それに加えて、中国の景気減速の影響が
大きいです。アメリカと中国の石油輸入が
少なくなると世界の石油需要に影響を及ぼします。

前回の記事で述べたように供給側である
産油国の足並みが揃いません。

部分的には石油採掘量の減産に合意という話がありますが、
産油国同志の足の引っ張り合いの形になっています。

確かに「全て」とは言わないまでも殆どの産油国が
石油の減産に踏み切れば間違いなく石油の価格を
上げることができます。

しかーし、です。

原油の価格が下がっているのに、
ある産油国が他の産油国の為を思って石油を減産に
踏み切るでしょうか?

仮に少数の産油国が石油の採掘量を減らし、
他の多くの国が石油の輸出を減らさなければ、

石油を減産した国の収入だけが
減ってしまうことになってしまいます。

だから、産油国が本当に協調して
減産に踏み切るかというと疑問が残ります。

加えて石油の需要は、世界的な景気を見ても
急激に増えるとは思えません。

なので、
今年の前半は石油価格が大きく上がらないのではという
見方が一般的です。

このような原油価格の落ち着きは
個人を含む実体経済を考えると
個人の消費と景気には追い風です。

今年の1月にあるサウジアラビアの政府ファンドの
資金を預かっているというヘッジファンドが
サウジの要請を受けて中国の株を手放すと報じられました。

報道そのものは、真偽が
怪しい報道ではありましたが、それがブルームバーグなど
大手報道機関、情報配信会社に引用され、
世界中に報道されたのです。

その結果として中国のみならず、
世界の株安に繋がりました。

私は4月14日の大阪堂島のセミナーで
原油価格は上がるだろうというお話をしました。

その直後に今回の記事で解説した
石油減産に至らないという報道があり、上のチャートの
通り、原油価格は急激に少し下げたもののその後の原油は
45ドルまで上がってきました。

ここでオレンジ色の直線で示している
ように過去のもみ合い水準になりましたので、
45ドル前後で上昇は一服する可能性が高いです。

今後は原油安と株価を結びつける新たな報道が無ければ
原油価格が株価に強く影響する恐れは少ないでしょう。

不動修太郎

 

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