From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
ここ1年、とりわけここ3カ月くらい、
日本は売られています。
株も売られているし、円も売られているのです。
ちょっと、過去3カ月の推移を見てみましょう。
縦軸は出発点である3カ月前を0として、
横軸は9月13日から12月13日までの3カ月を取っています。
この3カ月で最もパフォーマンスが悪かったのは「日経平均」でした。
下落ぶりも突出していますね。
この状況は、需給の話とリンクします。
東証においては、
外国人投資家のシェアは
どんどん増えてきています。
2000年前までは2割程度でしたが、
どんどん上昇し、2011年には50%を越えました。
その後も増え続け、
2015年以降は60%を超え始めました。
この頃から売りが目立ち始めてきました。
つまり、日本株売りです。
東証が発表している
投資家部門別売買動向を見るとわかるのですが、
9月中旬以降から売りが目立ち始め、
週単位では、買い越しは5回、
売り越しが9回となっています。
なぜ売り越しが多いかというと、
日本株の戻りが弱い事を見越して、
短期売買筋が大きな売りを仕掛けているからです。
だからといって大きな下げに
至るほどの力ではありませんが、
この動きが止まらないと、本格的な回復には至りません。
ちょっとしたことですぐ反転します。
この動きは長期的なものではありませんのでご安心を。
ところで、最も良かったのはドル円です。
ドル円が上がったという事は、
円安が進行した事になりますね。
これも日本売りのひとつです。
通貨の需給は、
シカゴのマーカンタイル取引所における
IMM通貨先物の受給(買い-売りポジション)が最もわかりやすいものです。
さっそく見てみましょう。
2021年3月中旬以降、
継続して円は大幅な売り越しが続いています。
これは、ドル円レートが110円を超えた時期と重なりますね。
ちょっとやそっとでは
反転しそうにありません。
円安は長引くと思います。
輸出企業にはこの円安はプラスに働きますので、
悪い事ばかりではありませんが、
日本はエネルギーを輸入に頼っているので、
経済全体にじわっと効いてきます。
今のところ日本売りは
株も、通貨も、止まる気配は見せていません。
反転するのは米国の金利動向次第ですが、
これはまたの機会にしましょう。
奥村尚
・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。