From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
もう、クリスマスです。
あとは、すぐ年末を迎え、
今年はもうおしまいの様相ですね。
前回は今年の相場を
振り返ってみました。
来年に何が起きるかは
誰にもわかりませんが、
起きそうである、ということが
すでに明確なものがあります。
今回は、
それをみておきましょう。
1 日米の金利
2024年は、
米国の政策金利は下がり続け、
日本の政策金利は、実に久しぶりに上がりました。
日本の政策金利は
いままでマイナスか
せいぜいゼロ金利だったので、
0.25%という
わずかではあるものの、
プラス金利になったのは2008年以来です。
この流れは、
2025年も続きます。
2020年以降の推移を確認しましょう。
金利と為替は、きわめて相似形で
関係がとても深いことがわかりますね。
同じデータを使って、
X(米金利)-Y(ドル円)とすると、
さらに、くっきりと関係が浮かび上がります。
明確に数値でわかりやすくするために
回帰分析した数式も入れておきました。
米金利が1%上がると(下がると)
12.8円の円安(円高)になります。
こうしたことがわかっていて、
米金利が下がることがわかっていれば、
見えてくるものがあるというものです。
ただ、少なくとも
2024年末の状況では、
米国は、利下げは極端にスローに、
日本の利上げは先行き不透明です。
とはいえ、米国が
再び利上げに転じることは
まず起こりませんし、
日本が再度マイナス金利に
リワインドすることもないでしょう。
特に日本の利上げは
時期の問題だけなので、
いまよりは円高になることが見込まれます。
2 日米の株
米国は好景気が
継続することが確実であり、
さらに新大統領の減税政策が
明らかになるにつれ、景気刺激につながり、
企業業績にも影響を与えるでしょう。
一方、関税をちらつかせて、
実際に関税をかけて、
他国に対して言うことを聞かせる、
という手法は、
すでに明言しているほどですから、
ほぼ確実に実現します。
日本、欧州、中国、
それぞれが異なる課題を
突きつけられると思います。
前トランプ大統領の時代に、
2017-18年にも同じことが
起きました。
この時、
中国株は5-10%程度下げ、
日米株は 5-10%上昇しました。
日本に対しては、
あまり厳しい要求がなかったためです。
一方、株式市場に
お金が流れてくる状況は、
マクロ経済的には、
経済成長が金利以上に
大きくなっていることに尽きます。
つまり、
GDP成長 > 長期金利
が成り立っていれば、
企業成長が有利で
株式市場にお金が流れやすく、
GDP成長 < 長期金利
になると、国債で利ザヤを稼ぐ方が
株式を買うより有利になるので、
株は売られ、
そのお金が債券に向かいやすくなります。
現時点での予想として、
Y2024, Y2025の実質GDP成長率は、
2024 2025
日本 0.3% 1.1%
米国 2.8% 2.2%
ユーロ圏 0.8% 1.2%
です(IMF 世界経済見通し 2024/10月版)
日米ともに、株式市場は、
引き続き好調を維持するでしょう。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。
いつも興味深く読ませていただいています。
説明が分かりやすく大変勉強になります。