2025年、わかっていることを考えてみる

2024.12.25
Share:

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

もう、クリスマスです。
あとは、すぐ年末を迎え、
今年はもうおしまいの様相ですね。

前回は今年の相場を
振り返ってみました。

来年に何が起きるかは
誰にもわかりませんが、

起きそうである、ということが
すでに明確なものがあります。

今回は、
それをみておきましょう。

1 日米の金利

2024年は、
米国の政策金利は下がり続け、
日本の政策金利は、実に久しぶりに上がりました。

日本の政策金利は
いままでマイナスか
せいぜいゼロ金利だったので、

0.25%という
わずかではあるものの、
プラス金利になったのは2008年以来です。

この流れは、
2025年も続きます。
2020年以降の推移を確認しましょう。

金利と為替は、きわめて相似形で
関係がとても深いことがわかりますね。

同じデータを使って、
X(米金利)-Y(ドル円)とすると、
さらに、くっきりと関係が浮かび上がります。

明確に数値でわかりやすくするために
回帰分析した数式も入れておきました。

米金利が1%上がると(下がると)
12.8円の円安(円高)になります。

こうしたことがわかっていて、
米金利が下がることがわかっていれば、
見えてくるものがあるというものです。

ただ、少なくとも
2024年末の状況では、

米国は、利下げは極端にスローに、
日本の利上げは先行き不透明です。

とはいえ、米国が
再び利上げに転じることは
まず起こりませんし、

日本が再度マイナス金利に
リワインドすることもないでしょう。

特に日本の利上げは
時期の問題だけなので、
いまよりは円高になることが見込まれます。

2 日米の株

米国は好景気が
継続することが確実であり、

さらに新大統領の減税政策が
明らかになるにつれ、景気刺激につながり、
企業業績にも影響を与えるでしょう。

一方、関税をちらつかせて、
実際に関税をかけて、
他国に対して言うことを聞かせる、

という手法は、
すでに明言しているほどですから、
ほぼ確実に実現します。

日本、欧州、中国、
それぞれが異なる課題を
突きつけられると思います。

前トランプ大統領の時代に、
2017-18年にも同じことが
起きました。

この時、
中国株は5-10%程度下げ、
日米株は 5-10%上昇しました。

日本に対しては、
あまり厳しい要求がなかったためです。

一方、株式市場に
お金が流れてくる状況は、

マクロ経済的には、
経済成長が金利以上に
大きくなっていることに尽きます。

つまり、

GDP成長 > 長期金利

が成り立っていれば、
企業成長が有利で
株式市場にお金が流れやすく、

GDP成長 < 長期金利

になると、国債で利ザヤを稼ぐ方が
株式を買うより有利になるので、

株は売られ、
そのお金が債券に向かいやすくなります。

現時点での予想として、
Y2024, Y2025の実質GDP成長率は、

2024 2025
日本 0.3% 1.1%
米国 2.8% 2.2%
ユーロ圏 0.8% 1.2%

です(IMF 世界経済見通し 2024/10月版)

日米ともに、株式市場は、
引き続き好調を維持するでしょう。

 

奥村尚

━━━━━━━━
『奥村尚の金融リテラシー向上委員会』
奥村尚が分析する最新の相場情報を
月1回の放送でお届けする裏番組
全個人投資家、購読必須です。
視聴会員登録はこちら:
https://trade-labo.jp/tl/ifl_2022_b/
━━━━━━━━

関連記事

Pick Up!

One thought on “2025年、わかっていることを考えてみる

  1. いつも興味深く読ませていただいています。

    説明が分かりやすく大変勉強になります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です