From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
為替市場、とりわけ、
ドル円というFX市場は、
日本の為替ディーラーには、
最も重要な市場です。
ただ、今までも、
時々述べてきたのですが、
この市場に限らず、
為替市場というのは、
主の意図で、
簡単にひっくり返ってしまいます。
古くは、固定相場から
変動相場への変更とか、
プラザ合意などがありました。
ある日とつぜん、
お上がこのように決めた、と言われ、
あっという間に
相場が急変しました。
どちらも円高への
急激な変化をもたらしました。
近年では、このような
急激な変化はありませんが、
2か国の金利の関係が
一気に動くと、
金利が高い国の通貨は買われ、
金利の低い国の通貨は売られます。
では、適度に長期の期間において、
株式市場と比較して、
FX市場というのは、
どのような性格が
あるのでしょうか?
今回は、株式市場との
比較をみてみましょう。
ペア通貨は
当然にドル円をとります。
1988年4月以降、
2025年7月28日までの、
37年間を超える
超長期の様子は、
どうだったでしょうか?
為替であれ、株式であれ、
昨日の引け値で買い、
今日の引け値で売る、
ということを毎日繰り返すと、
一日当たりのリターンが
計算できます。
その偏差をとると、
リスクが計算できます。
まずは、推移をみておきます。
円安が株高をもたらした、
というシナリオをよく表す形ですね。
同じデータでX-Yプロットをすると、
ドル円レートと日経平均の関係が
数式でわかります。
青い2本の線で挟まれた範囲で、
面積区画に全体の85%が
入っています。
この範囲が、
長期的にみた妥当範囲です。
もし、区画ではなく、
1本の線で示す場合は、
赤い点線1本で示すこともできます。
その時の数式を書いてみると、
日経平均= 308.5 * ドル円レート – 16373
となります。
赤字で記載しました。
(さらに書くと、 R^2=0.49 なので、
この1本の線だ
つまり、
ドル円だけで
日経平均の半分近くが説明できる
ということになります)
この式に当てはめると、
7/28日のドル円レートは、
147.85
でしたから、このレートであれば
適正な日経平均は、29,239です。
7月28日の日経平均は、
41,100 前後でしたから、
適正値より、1万1860円
高い水準である、
という言い方ができます。
ただしこれは、あくまでも、
過去の日経平均と為替レートの推移だけから読む
適正な日経平均という話であり、
今の状況で割高である、
というわけではありませんので
ご注意ください。
このデータをつかって、
もう少し統計数値を比べると、
もっともっと、
面白いことに気が付きます。
それはまた、
次回にでもお伝えしようと思います。
奥村尚

・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。