日経平均4万時代の歴史 2

2025.8.27
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前回、過去に4万円寸前まで
到達した時代の

日経平均の歩みを中心に
述べてみました。

1989年当時の日本の経済力は
GDPベースで世界2位。

当時の5位まで上位国が、
G5として会合を開いていたわけです。

ひとりあたりのGDPも世界2位でした。

2024年時点で、日本のGDPは
世界4位(IMF、名目,ドルベース)。

2025年は、ほぼ間違いなく
インドに抜かれて5位に下がります。

ひとりあたりのGDPは、
38位(IMF)で、

OECD加盟国 38か国の中では
下位グループと言ってよい
22位です(IMF,2044)。

こんな体たらくなのだから、
株価はバブルであり、

あっというまに暴落して
おわるのではないか?

というような指摘やコメントを、
ちょくちょく目に(耳に)、します。

いろいろな要素からを見る限り、
そうはならない考えます。

まず、当時の日経平均と、
今の日経平均は、
単位が異なります。

1989年の4万円と、
今の4万円は、価値が異なるのです。

そう、物価です。

日本は、物価が非常に
安定している国の一つでしたが、

まったく上がっていないかというと、
そんなことはありません。

ちょっと、みてみましょう。

物価上昇率は、
CPIの変化で計算しますが、

1989年を1とすると、
2025年は、だいたい1.30です。

(2024年はIMF発表値、
2025年は7月のCPI変化で推計)

つまり、
日本は1989年にくらべ、
30%も物価が上昇しているので、

今の円の価値は当時より
30%目減りしているのです。

とすると、今の日経平均を、
1989年と比べるのであれば、

1989年の日経平均を
30%増やす必要がありますね。

4万円の30%増は5万2千円です。

当時の日経平均は、
今の円価値を考えると、

5万円以上の価値が
あったということです。

まだまだ、1989年のバブル水準には
株価としては到達していない、
と言えるのです。

もうひとつは、世界の金余りです。

パンデミックが起きた2020年以降、
世界中の中央銀行が
経済麻痺を起こさないように、

お金をじゃんじゃん
市場にばらまいてきました。

市場から、あらゆるものを
買いまくって、
市中にお金をばらまいたのです。

何かを買った量は、
中央銀行が買い入れた資産を
見ればわかります。

米国FRBは7兆ドル
日銀は4兆ドル

こんな調子で、
世界中の中央銀行がお金を
ジャブジャブ市中に流して、

いまだに、
多くを回収していないのですから、
お金は有り余っています。

中央銀行が急にお金を吸い上げると、
あっという間に不景気になるので、
少しづつしか回収できないわけですね。

日米だけで、
10兆ドル(1500兆円!)もの金が、
まだ市中に余ってます。

それに、
表に出ない経済のマネーも、
2300兆円もあるとされています。

これは、1989年の時代では
考えられない規模の
マネーなのです。

そうした金の一部は
暗号通貨に回りますが、

メジャーな株式市場にも
回ってきているはずです。

景気のわるい欧州の株でさえ
好調なのですから、
日本株だって人気があるはずです。

他にも、長期金利の上昇による
インパクトなどもありますが、

あれこれ要素をみてゆくと、

日本株が近い将来に
(1990年のような)暴落に
見舞われることは、

考えられない
と観るわけです。

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