相場下落時のリスク

2017.9.6
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

今回は先週の続きです。

1949年以降(戦後の全ての)日経平均株価を使って、
リスクやリターンがどうなっているか、
長期投資におけるリスクが変化するのか、調べてみます。

まずはウォーミングアップです。
下のグラフは、日経平均の日々のリスクと
リターンを全てプロットしたものです。

ある日に投資して、それを10営業日後に
売却した時のリターンとリスクを計算しました。

横軸はリスクです。縦軸はリターンです。

リスクをどれだけ大きくなっても、
得られるリターンはそれほど大きくならない関係が
良く分かりますね。

赤で示した線は、投資できる範囲を示しますが、
この線が、同じリスクでリターンが最大になる範囲です。

現代ポートフォリオ理論では、有効フロンティアとして知られています。

リスクとリターンの関係は、
投資期間によってどう変わるのでしょうか。

つまり、ある特定の株式を一度購入しそれを保有した場合、
その保有期間によって、リターンとリスクは、どう変化するか、という問題提起でした。

リスクの定義は、前回に述べた教科書通りリターンの標準偏差、
つまり、リターンのブレの大きさとします。

まず、本来はどうなっているべきか、その概念を考えてみたいと思います。

日本証券経済研究所の資料を使って、
投信協会がHPで公表しているグラフがわかりやすいと思います。
https://www.toushin.or.jp/investmenttrust/specialist/vol_03/
から引用すると、投資期間が長いほど、
収益のブレが少なくなっています。

長期投資の方が収益のブレが少ないですね。
これは、リスクの時間分散といいます。

その代わり、リターンも少なくなっていますね。そうなんです。
長期保有すると、リターンのブレが少なくなり、
結局、どの銘柄を買っても似たようなリターンになってゆく、
という事になります。

やはり、リスクとリターンは表裏の関係があり、
リスクが減るとリターンも減るのという事につながるわけです。

リスクという定義を変えない限り、誰が検証しても同じ結果になります。

さて、実際に日経平均の値を使って、
特定の日に指数を買う(これは例えば日経平均連動型の投資信託を買う、
という事と等価ですね、と、リスクはどうなるか、
という数字を見てみましょう。

東証が戦後再開されてから今日(2017年9月5日)まで、
18689営業日経過しています。

この中で、特定の一日に日経平均を購入すると、
リスクはどうなっていたのか、という調査になりますね。

実際にやってみて分かったのですが、
その特定の日に買った日経平均は、
どの特定の日以降の特別の理由で
リスクが大きくブレて、独特のカーブを描きます。

例えば、1949年に買った日経平均であれば、
1950年6月に朝鮮戦争の影響を受けています。

1972年に買った日経平均であれば、
1973年の中東戦争に起因するオイルショックの影響を受けています。

1989年に買った日経平均であれば、
バブル崩壊の影響を受けています。

この年の年末にNK225は史上最高値をつけていますので、
この最高値で投資をスタ―トした人は、
常にリターンはマイナスということになります。

なにしろ、1949年からの日経平均ですから、
大きな事件もまだまだありますし、細かな事件は、
もっともっとたくさんあり、結局、
いつから投資を始めたらよいのか、
事後的にもわかりずらいのです。

なにはともあれ、ひとまず一気にみてしまいましょう。

このグラフは、ある日から過去に遡って
10日間、30日間、60日間のリスクを毎日計算したものです。

縦軸はその日から過去10日間の(あるいは30日、60日間の)リスクです。

68年間分のすべての日をプロットしているので、
ごちゃごちゃしていますが、おおまかな感じがつかめるでしょう。

全体の期間をスキャンしてみると、
どの期間でも、投資期間が10日より30日、
30日より60日の方が明確にリスクが低くなっています。

また、他よりリスクがとびぬけて
高い日が何本もあることもわかります。

10日間の投資リスクが最も高かったのは2008年10月です。
リーマンショックです。
ついで1987年10月。ブラックマンデーです。

やはり、相場下落時のリスクは、
あとから数字で見ても明確に出ているといえますね。

次回は、もう少し、具体的な日を決めて、
もう少し詳しくみてゆきたいと思います。

お楽しみに。

奥村尚

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