知らないでは済まされないロスカットの注意点

2016.11.23
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From:奥村尚
都内のオフィスより、、、

おはようございます。
奥村です。

突然ではありますが…

みなさん、ボージョレヌーボーのみましたか?

11月第3木曜日。
飛行機便なので割高な気がしつつも、
つい乗せられて毎年買ってしまいます。

毎年「偉大な..」評価されていますが、
いつも同じ(よく言えば新鮮な)味。

でも損した気にならないのは、
どこかに満足感があるからなんでしょうね。

損といえば、株の損は実に損した気分になりますね。
今日は、「損」について掘り下げてみます。

先週は売りに関する実務的な計算をお伝えしました。

その中で、上げの利食いの計算と、
下落時(もしくは相場上昇に関わらず手持ち株が上がらない時)の
損切の計算の考え方が異なることをお伝えしました。

では、なぜ、
こうしたいろいろなノウハウや本が(あまり)ないのでしょう?

理由はいろいろあるのですが、
まず、”こうしたノウハウを示せる需要が少ない事”でしょう。

「買い」であれば、株に興味のある誰でも対象になり、
相手が多いのですが、

「売り」となると、
既に買っている人だけが対象になりがちなので、
需要相手(マーケット)が極端に小さくなり、
商売にならないことがあげられます。

もうひとつは、
買い手法の欠点があらわになることでしょう。

あるノウハウや手法に従って買った場合、
買った値段よりも安くってしまうケースがあります
(供給者からみるとこれは困る)。

そこでノウハウ提案者は考えます。

買いは売りを伴わなければ損が確定しない。
損が確定しないうちは
(トレード途中であり損ではないのだから)、
要するに欠点は表に出ないので都合が良いのです。

欠点が出ないように
こっそり工夫をして実績をアピールして、
いかにも成果が出た、という手法はゴロゴロありますね。

トレードは、勝率100%というのはあり得ません。
損もするものです。
(実は勝率100%のトレード手法は、
絵に描いた餅で良ければ存在しますが、ここでは触れません)。

トレードで成功するには、「損をしない事」ではなく、

「損を受け入れ損をコントロールすること」なのです。
(勝率を上げることは最重要ですが、今回は触れません)。

トレードで成果を上げるには、
まずは損失を大きくしない事が重要です。
特に、一回のトレードで大きな損をさせてはいけません。

  * * *

たとえば、一回15% 損するとしましょう。
100が100×0.85=85になりますね。

すると次(2回目)は”85″からのスタートになります。

2回続けて失敗すると: 85×0.85 =72.3 です。

3回続けて失敗すると: 72.3×0.85=61.4 になります。

つまり…

元本の4割近くを失うのです。

もし、1000万円運用していると、
3回の失敗で”614万円”になります。
これは厳しい数字です。

新しい元本614万円を昔の元本1000万円に戻そうとするなら、
⇒ 1000÷614=1.63

実に“63%”も稼がないといけません。

しかも、それだけ稼いで昔の元本に戻るだけ、
という精神的なきつさもあるでしょう。

 * * *  

では、どのくらい損してきたら売りを意識するとよいのでしょうか?

これは、人によります。
投資資金の規模、目的、投資期間、ベテランか初心者か。。。

  * * *

それでは答えが見えないので、
「個人投資家、初中級、運用資金1000万円」という前提で、
模範的な答を考えてみます。

ズバリ、1回のトレードの損失5%以内
(多い人でも10%以内)だと思います。

1回の損失が5%であれば、
4回連続損しても、

100×.95×.95×.95=85.7%です。

1000万円が857万円に減りますが、

これを1000万円に戻すためには、
新しい元本857ですから、
1000÷857=1.17

たった”17%”稼げば元に戻るのです。

この程度であれば、失敗したやり方を反省し、
新しい挑戦をする気になるでしょう。

うまくいけば1回の勝ちで挽回できますから。

(ちなみに、1回10%の損失だと、
3回連続して失敗すると
1000万円は729万円になります。

元本回復まで
1000÷729=37.2%
稼ぐ必要があります。

このくらいまでの負けが、今後も気力が続く限界と想像します。)

  * * *

こうした損切売りは“機械的に判断する”に限ります。

思い入れ=思い込みで
損が拡大する事がありますから、

気持ちで左右されないように、
あらかじめ決めたルールにより
機械的に判断するのが良いのです。

ここまで説明してきたロスカットの考え方は
“マネーマネジメント”と呼ばれているノウハウで、
とても重要です。

これができている人と、できない人は、
継続的な成果が断然違ってくるのです。

株は、まずは「買い」から入りますから、
「買い」に重点があるのは当然です。
良い銘柄さえ選べば必ず得をする。

しかし、失敗を失敗と機械的に認識し、
それを上手に処理することもまた、
「明日のために」必要なのです。

明日がある事。
それが、成功の秘訣だと思います。

それでは、次回をお楽しみに

奥村尚

PS.
今週末の私のセミナーですが
キャンセルの方がいらっしゃいましたので
現在、2席空きがあるそうです。

分かりやすく伝えようとしても
文章ではなかなか難しこともあります。

今日のブログだって話せば5分もかからない
内容ですがこれだけの長文になってしまいます。

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たくさんしようと準備しておりますので
興味のあるかたは是非ご参加ください。
https://j-i-s.info/j-i-s/okumura161127/

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知らないでは済まされないロスカットの注意点へのコメント

  1. 「損を受け入れ損をコントロールすること」
    まさしく、 これがトレードの原点ですね。
    改めて、自分自身に徹底したいと思います。

  2. デイトレ兼スイングさん
    コメントありがとうございます。読みが外れた場合は初動で行動し売るのがよいのですが、早まった、と思うこともあり難しいですよね。実践的なルールなども、今後機会があれば紹介していきたいと思います。
    今後ともよろしくお願いします。

  3. 計算式が分かりやすいです。

    1000万円を3回10%ロスカットした場合は、
    729万円

    コレを挽回するためには

    1000÷729=37.2%

    雰囲気でトレードしているので、
    こういう計算を見せられると
    考えさせられますね。

    正しいロスカットを意識したいと思いました。

    1. ヒデアキさん、
      コメントありがとうございます。
      少しでもお役に立ててうれしく思います。
      トレードは最後は数字になりますので、あらゆる経過で、結果を数字に落としてジャッジするのは重要です。これからも、いろいろノウハウをお伝えしたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

  4. 文章長すぎで、読みづらかった。途中やめがち、換わりに、動画でどうでしょうか。

    1. 瀬戸さん

      文章、読みずらいとのご意見、ありがとうございます。
      こうした文章は、単純化すると途中経過がわからないので理解しずらいのですが、長々と書くと読んでいただけない事がわかりました。数式が入っているので、テキストの方がわかりやすいかな、と考えたのですが、長すぎたとの事、ご意見、動画のアドバイス承りました。
      時々、動画も使ってみようかと思います。

  5. 初めは損切り=負け=ネガティブという自動思考がありましたが、
    これではいけないと思ってからは、奥村さんのおっしゃる通り、
    機械的に損切りができるようになりました。
    金額のマイナスを認めてスタートし直せば、代わりに進捗はプラスになるので
    さらなる期待を持って継続できると気が付きました。
    今後も参考にさせていただきます。

  6. 『ズバリ、1回のトレードの損失5%以内』という明確なロスカットの基準と、『機械的に行う』という教えを、肝にめいじたいと思いました。先生のお話は、論理的で非常にわかりやすいです。

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