From:奥村尚
東京のオフィスより、、、
おはようございます。
20日、日経平均は56年ぶりの14連騰を達成しました。
実際は24日の時点で16連騰を達成するのですが、
これは、経済が強い、今後の株式市場が強いという
メッセージであるのか、偶然であるのか、
それを数値で示してみたいと思います。
まず、ある日の翌営業日は上げたか、下げたか、
基本的にそのどちらかになります。
日経平均が完全に前日と同じ値になることはまずありません。
計算上、日経平均を構成する全銘柄の株価が
前日と完全に同じで、
かつ、除数も同じ場合に限って、
全く同じ値を示す事になりますが、
非常に確率は低いものです。
どのくらいの上げた日、下げた日があったのでしょう。
最大下げた日は、1087年10月20日で-14.9%
最大上げた日は2008年10月14日で+14.2%
プラスの幅も、マイナスの幅も似ていますね。
そこで、1949年5月16日から2017年10月22日まで、
東証は18721営業日動いていますが、
一日単位でリターンを計算し、
それを昇順にならべかえてみました。
グラフは、きれいに左右対称にみえます。
本当に左右対称である場合、
(+に行った日の数とその+のリターン)と
(-に行った日の数とその-のリターン)が
完全に合致することになります。
大雑把には、左右対称ともいえますが、
厳密に言うと、下げた日は 8997日(48.058%)。
上げた日は9724日(51.9417%)。
あれ、上げた日の数が3.9%程度多いですね。
そう、株式市場の一日あたりの平均リターンは0.03%。
非常に僅かですが、下げるよりは
上げる可能性の方が高いのです。
この、上げた日の比率51.9%という数字で計算してみると、
明日上げる確率は51.9%。
明日上げて、さらに翌日上げる確率は
51.9% * 51.9%=26.98%。
これを続けて、14連騰する確率は、51.9^14=0.0104%です。
この確率は、9611日に1回起こります。
ところで、前回14連騰が起こったのは
1960年末から1961年1月12日までです。
2017年10月2日から14連騰がスタートしていますので、
その間の営業日は15198日あります。
9611日に1回起こって良いものが、
15198日も起こらなかったわけです。
だから、今回起こったことは、
確率的に考えると当然ともいえるものなんです。
同じ事を15連騰で計算すると、
1/(0.519^15)=18504。
18504日に1回、15連騰は起こります。
東証は本日10月24日で18722日営業しているのですから、
1回起こってもまったく不思議ではなく、
むしろ確率的に当然といえるものです。
時々起こるべきものが久しぶりに起きた、
という結論になるわけです。
この、14連騰する確率は、14連騰する前の段階での確率であり、
既に14連騰を終えた日である場合、
今まで14連騰していようが、いまいが、
翌日上がる確率は1/2。
さらに言えば、翌日上がって、
15連騰した場合であって、
また翌日上がる確率は1/2です。
今回は、14連騰、15連騰、16連騰を題材に、
案外簡単な視点で、あっさり数字で説明できる事をお話しました。
投資の結果は数字で出るので、
状況もなるべくデータや数字を使って説明すると、
それを使った意思決定も論理的に行いやすくなりますね。
では、また次回おたのしみに。
奥村尚
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・ジャパンインベストメントスクール講師
・マーケット アナリスト
・マーケットの魔術師
20兆円もの運用資産をもつ米国大手ヘッジファンド株式投資部門スーパーバイザー、自身も日本でヘッジファンドを主宰。日本証券アナリスト協会会員。
1987年、都立大学大学院工学研究科修了(テーマは人工知能)。日興証券入社。投資工学研究所にて、数々の数理モデル開発に携わる。スタンフォード大学教授ウィリアム・F・シャープ博士(1990年ノーベル経済学賞)と投資モデル共同開発、東証株価のネット配信(世界初)なども手掛ける。
2000年 東証マザーズ上場第一号のインターネット総研で金融事業を統括。
2002年 イスラエル天才科学者とベンチャー企業設立、人工知能技術を商用化し空港に導入。
2004年以降は、金融業界とIoT業界の交点で活躍。最先端の人工知能とアナリストの相場適応力を融合させた投資モデルMRAを完成し、内外の機関投資家に提供する。この投資手法は、最低25%/年以上の収益を「MRAを使う誰にでも」もらたしている(一度も元本割れなし)。
2015年 個人投資家へMRA情報提供開始、さらに投資塾を通してお金の知識を広め、ゆたかな生活の創造に貢献している。
趣味は、オーディオの機械いじり。ワインやウィスキーをたしなむこと。スポーツも好きでスキー、スケートは自称特級(そんなものはない)、エアロビック競技を10年ほどやっている(NAC マスター男子シングル 9連覇中、2014-2016日本選手権千葉県代表)。ただし、「かなずち」であり、球技も苦手である。