カテゴリー別アーカイブ: 奥村尚

先週のイベントを経て、円はどこまで行くのか?

2017.03.22
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

こんにちは。

相場は、いろいろなイベントがあった
先週を乗りきって今に至りました。

もう、出る材料は出つくして、
こんどはあたらしい手掛かりがない、
という状況になってしまいました。

FOMCの利上げ決定を受けて、
米債券市場では長期債を売り、
ドルを買う動きが目立ちましたが、

確かに瞬間的にはドル高(円安)になったものの、
むしろ逆の動き(円高)となりました。

ここ何日かの為替市場は、G20を終え、
そのG20でも明確な姿勢が出なかったため、
余計にその傾向が出ています。

むしろドルに対しては円安の
ピークは終わったものとして、

円高を懸念するゆえに株式も
上値が重いように見えます。

今回の円高理由は、
事後的にはいくつでもあげられますが、

米利上げ回数が今年は(当初市場が懸念した)4回ではなく
3回になるものと見込まれたため
米金利の先高感が薄れたこと、

そもそも今回の利上げは事前に
市場が95%織り込んでいた
(つまり、既に市場はドル買いを終えていた)ため、

むしろ安心して反対のポジション(ドル売り)に
シフトしたこと、が理由となるでしょう。

しかし、むしろ本来の水準へ向けた自然の流れ、
ともいえるのです。

それを説明します。

日米の通貨レートは、
長期的には日米で同じものを買う時
に同じ値段で買えるレートに落ちつきます。

購買力平価(PPP:Purchasing Power Parity)といいます。

これは理論的な一致点であり、
実勢レートが購買力平価
と完全に一致することはありませんが、
PPPと大きくかい離する状態が
長期に続くことはありません。

PPPの計算は、1973年を基準とする為替に、
2国間の特定の指数を用いて計算します。

どこが発表するどの指標統計を使うかで
多少異なりますし、PPPもいくつか種類があります。

(消費者が購入する物価(消費者物価)を基準とするか、
国内企業間の取引価格からみる物価(企業物価)を基準とするか、
日本が輸出する価格FOB価格(輸出物価)でみるかで、3種類あります。)

総務省統計局が公表する消費者物価指数、
日銀の企業物価指数などを使えば誰でも

試算できますが、その詳細はさておき、
ズバリ95円と考えてよいでしょう。

え、そんなに円高なの?

そうです。
95円は、円ドルレートの適正水準なのです。

ただし、この水準は、あくまでも統計から導いた理論値であり、
実勢レートは、ずっとかい離しているのが通常です。

かい離が解消されるのには時間がかかります。

3-5年です。

なぜそんなに時間がかかるのかは、
いろいろな説がありますが、
それは気にするときりがないのでやめておきます。

いずれにしても、
今のドル円(112.81円,3月21日)は、
PPPが示唆する本来水準95円からみると、

18.7%も円安であり、今後、長い時間をかけて、
95円に向かう過程である、といえなくはないのです。

その過程で、株は安くなるか高くなるか、
とは全く別の問題ですし、あくまでの
長期のトレンドということは強調しておきましょう。

では、次回をお楽しみに

奥村尚


FOMCは織り込み済み?今日、注目すべき重要指標

2017.03.15
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

もう3月の半ばになってしまいました。
光陰矢の如し、です。

この時期は例年、とにかく決算の見通しが
何より情報として重宝されますが、
今年は珍しく違います。

世界的にも重要なイベントが多いからです。

FOMCを真っ先に
思い浮かべる方は通です。

が、
CMEのフェデラルファンドレート先物という
短期金利の先物取引が示唆する利上げ確率は

3/14時点で95%を超えており、
市場はほぼ完全に織り込んでいます。

従ってサプライズが起こるとしたら、
利上げが見送られた時になるでしょう。

イエレン議長は3月3日から、
早期利上げのポジティブな見解を発表しており、
見送られる可能性も小さいものと思います。

債務上限休止期限が3/15(水)に到来します

米国では国債発行残は上限を議会が決定しています。

しかし上限があると国債を自由に発行できなくなるので
オバマ政権時代に停止されていました。

その期限が3/15(水)で、上限が復活します。

上限引き上げが成立しないと、
利払いのキャッシュを調達するための
国債が発行できないため、

利払いが遅れる=米国債の利払いがデフォルトになります。

デフォルトというのは、
踏み倒されることだけではなく、

利払いがスケジュール通りに
支払われない事をふくめて使う言葉であり、

そうした意味ではこれまでも何度も
米国債はデフォルトになっています。

まぁ一時的に支払いが遅れるにしても、
米国はお金がなくて支払いを
停止するわけではないのですから、
必ず収束するようにできています。

大げさにニュースで伝わる場合でも、
みなさんは影響をうけないでください。

オランダ議会選挙があります。
これも3/15(水)です。

世論調査では、反EUを掲げる自由党が20%の
議席(総数150議席中30議席)を得て、第1党となる見通しです。

オランダ議会は、
自由民主国民党と労働党の2党が連立政権をとっていて、

与党2党で合計35議席と自由党単体を上回る様子ですが、

フランス(4月大統領選、6月議会選)、
ドイツ(8-10月議会選)、
イタリア(2018年5月)

と続くEU主要大国の選挙に影響を与える事が注目されます。

トランプ大統領の予算教書演説が16日に予定されています。

米国では予算の権限は議会にあり、
大統領は議会にお願いするだけの立場です。

しかも、減税の改革にあまり踏み込まないものと
みられていて、市場は反応しそうにありません。

ひとつ、ふたつとイベントを消化しながら、
市場が不透明感を払拭できた時、
次の高みまで相場が上昇するのではないかな、
と思う次第です。

それでは、次回をお楽しみに

奥村尚


企業が先か?投資家が先か?業績の年間パターン

2017.03.01
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From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

もう3月ですね。
ずいぶん暖かくなってきたようにも思います。

3月と言えば一年の〆の季節ですね。
卒業式もそうだし、企業でいえば本決算です。

日本の多くの企業は3月決算ですから
一年の終わりは3月末。

始まりは4月1日。

毎年、この時期になると、企業決算の成績が見えてきます。

為替水準も、3月末時点での水準がかなり見えてきていますね。

期末(=3月)までの営業成績は、
あと1か月でゴールを迎え、
そのゴールが見えてきたということです。

実は、そのゴールは、少し前から特別な立場の人には、
その数字が見えています。

それは誰でしょう?。

答えは企業経営者です。

あたりまえですね。
企業における全ての情報を統括している人ですから、見えていて当然です。

では、どのくらい前から見えているのでしょうか。

おそらく(第3四半期,3Q)が終わったときだと思います。
つまり、12月末です。

上場企業は、四半期ごとに経営成績
(つまり財務諸表)の開示が義務付けられています。

四半期ごとの決算を迎えてから
45日以内の開示を東証が指導していますから、
どの企業も45日以内に発表します。

3Qは12月31日が期末ですから、
それから45日というと2月中旬。

その45日ぎりぎりの日程で多くの企業は
成績と当期予想を発表します。

みな同じ日に発表するので、
一気に多数の企業成績がわかるため、
相場も変動します。

3末の本決算の発表も、
それから45日後にクライマックスを迎えます。

5月中旬ですね。

しかし、そのころは、新学期も始まっていて、
企業は来期の営業に入っています。

実際、企業の来期費用の予算化は
前年12月から始まっていて、

それを年次計画として策定し
4月から遂行しているわけですが、

5月中旬は、もう新年度も1カ月半を経過していて、
6月末に迎える第一四半期の数字を

上げるための努力をしている真っ最中、
というわけです。

ほとんどの企業は、
3月の時点では新年度入りする
4月以降を見据えて活動しており、

ほとんどの投資家は、
まだ確定していない年度決算を
予想、想定しながら投資する、ということです。

企業は投資家のだいたい2-3カ月先を走っていて、
投資家は2-3カ月遅れて業績を見ている、

という構図で、
これが毎年繰り返す、これが株式相場です。

この流れを押さえておくと、相場をみる一助になるでしょう。

では、次回をお楽しみに

奥村尚


見逃し厳禁!相場のルール変更を意識する

2017.02.22
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

ここ数日、暖かい日があり寒い日があり、
おだやかな日があり、強風大雨の日もありました。

なんだか市況の話をしているみたいです。

ということで、今回は市況の読みについてお話します。
久しぶり、もしかするとブログでは初めてかもしれませんね。

相場のメカニズムに関して、
まずはおさらいしておく必要があるでしょう。

日本は、日本の事情と理由があって、相場は動きます。

同様に、欧州には欧州の、米国には米国の、
それぞれ事情と理由があって相場は動きます。

そして、それぞれの地域での理由は、
為替、債券、株式市場を介して他の地域に影響を与えます。

全ての事情は
世界同時にニュースで伝わるので、
そこから解釈される心理要素も
市場に大きく影響を与えます。

確実に言える事は、全ての金融市場は、
市場参加者(=売買オークション参加者)「だけ」による
需要と供給で価格がきまります。

相場は需要供給によって
上がるか下がるかの単純な瞬間瞬間の動きです。

けれども、いろいろな情報が関与しているため、
簡単に読み当てる事は出来ないですね。

ある瞬間読みが当たっても、
次の瞬間には、当てた時と違うルールで相場が動いていると、
同じ方法では当てる事はできません。

これが相場の難しさであり、面白さでもあります。

前置きが長くなりました。

まずは大きな流れを読んでみましょう。
為替と日経平均をグラフにしてみました。
明確に動きが変わった日に縦線をいれてあります(2月21日前場まで)。

この縦線がルールの変更日になると考えながらグラフをご覧ください。
ルールが変わる以上、それまでと同じ考えや読みは通用しません。

最初の縦線は、ブレクジットです。
英国のEU離脱は特に心理的な震撼を与えましたね。

次は参議院選挙です。
自公の安定政権に市場は安心感を覚えました。

その次は、トランプ新大統領の決定です。
その後にトランプラリーと呼ばれた
上昇相場がやってきたのは誰もが知るところです。

最後の縦線は、1月24日です。
この日までは為替だけに反応して相場が動いていましたが、
この日を境にそれまでほど反応しなくなってきました。

ブレクジットとか参議院選挙、
新大統領のような明確な大きなニュースはありませんが、
明らかに動きが変わった日です。

日程的には、第3四半期の企業決算が理由と考えられます。

かつ依然として為替は支配的でもありますね。

とすると、今は業績と為替の双方
主要なルールとして相場を動かしていることになります。

第3四半期の企業業績を終えた段階で
上方修正は東証1部500社の集計では約100社、
下方修正は約30社でした。

今年度の為替レートは、
今期(4月1日から2月21日まで)の平均が108円です。

現時点ではこの平均より5円ほど円安なので、
当期決算には良い影響があるでしょう。

他にも理由を探せば
相場を動かす理由はたくさんありますが、
大きなルール変更を意識すること
まず大切だと思います。

それでは、次回をお楽しみに

奥村尚

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日米会談を利益につなげる注目ポイント

2017.02.15
prof_okumura

From:奥村尚
東京のオフィスより、、、

おはようございます。

先週末は日米のトップ会談が
大きく取り上げられたニュースとなりましたね。

ゴルフが良い悪いとか、そのゴルフ場がどうこう、
という事ばかり目立ちました。

事前の注目点として、
無理難題を押し付けられるのか否か、
にも注目があつまりました。

が、相場に携わる者の視点として、
もっと別の事に注目すべきです。

今回は、副首相も同行した、という点です。

麻生副総理の同行は、
既に1月の時点で米国の要請があり、

日本も歓迎する、として、
訪米の予定がニュースされていましたね。

なぜ、そんな事が注目すべきことなのでしょうか?

日本においては副総理は、
内閣総理大臣が欠けたときに
臨時に代行をする第一順位の国務大臣として
指定されています。

安倍総理と麻生副総理が行動を共にすると、
もし二人に同時に何かあると
国家としてリーダーが不在になります。

かつて、トップ二人が同時に
同じ国にいった事があったでしょうか?

そのリスクをとってまで、
米国の要請に応じたという事になります。

一方、そんなことは米国は百も承知で招待をした。

これは、何を意味するのでしょうか。

蜜月です。

双方とも、良い関係をアピールしたい。
決まりきっています。

米国が、トップ二人を招待しておいて、
厳しい課題を突き付けるはずがないのです。

つまり、トップの二人が行くと決まった段階で、
もう会談の成功は見えていたことになります。

案の定、日経平均で400円も相場が上がりましたね。

したがって、2月10日の相場の高騰は、
その前からわかりきったこと、だったのです。

麻生副総理は、ペンス副大統領と
経済分野の意見交換をしたそうですが、
具体的な突っ込んだ話もしたかもしれません。

例えば、鉄道網とか、人工知能の利用とか、
そういった分野での協力を
話したのではないかと僕は予想します。

と、すると。。。。

相場に立ち向かうものとしては、
ニュースは、このように読んでみると、
案外役に立つと思います。

また次回をお楽しみに。

奥村尚


トレードに影響大!EUの展望を予測するために

2017.02.08
prof_okumura

From:奥村尚
ブダペストのホテルより、、、

おはようございます。

僕は、先週から中欧で経済の
取材を行っているのですが、

1週間ほどチェコ(プラハ)に滞在したあと、
週末にドナウ川を船で下って
ハンガリー(ブダペスト)に移動してきました。

このチェコとハンガリーは類似点があります。

まず、
どちらの国もEU加盟国でありながら
通貨としてのユーロを導入できていない事。

ユーロを導入できないのは
財政赤字が理由です。

マーストリヒト基準といいますが、
赤字国債の新規発行額は
GDPの3%以内に抑える必要があるのですが、
それができていないのです。

実際には街中では
ユーロが流通していて
支払いもカードも
ユーロで済みますが、

小さな商店や地下鉄などでは
現地通貨が必要です。

もうひとつは旧ソ連の影響です。
東欧という共産圏を構成していたのですね。

チェコはプラハの春を旧ソ連が介入し
秘密警察が支配する暗黒の時代になりました。

ハンガリーは
ハプスブルグ帝国で
栄えたのですが

一次大戦で負けた影響で弱体化し
結局ナチスと同盟しソ連と闘います。

戦後はソ連に占領され
支配されました。

どちらの国もロシアに対する
(悪い)感情には特別なものがあります。

東欧とひとくくりにもできません。

日本にいるとあまり気が付かないのですが、

チェコ/ハンガリ―と
ルーマニア/ブルガリアの間には
大きな経済格差があります。

一人あたりGDPはチェコ17600ドル、
ハンガリー1万2300ドル、
下はルーマニア9000ドル、
ブルガリアの6800ドルです(2016 IMF発表)。

国家間で数倍の格差がある。
それがEUなんですね。

ちなみに日本は3万2500ドルで、
フランスやイスラエルより下、
イタリアより上といった位置にいます。

さて、EUを離脱する英国の
最大の理由は移民受け入れでした。

EUは域内国籍をもっていれば、
好きな国に住んで働くことができます。

これは、北海道で生まれて東京で
仕事する事と同じように見えますが、
大きな相違があります。

言葉と制度です。

日本で生まれた限りは日本語を話し、
日本人として受ける法的権利は
どこで生まれても同じですね。

 しかしEUでは各国の制度法律が違うので、
問題が発生しています。

生活保護、子ども手当、社会福祉の制度は
豊かな英独は整っており魅力的なのです。

結果、ルーマニア、ブルガリアから、
英独に移民が殺到しました。

例えばロンドンは人口が増えすぎて
朝の電車は山手線並みの混雑になり、
英語を話せない人が急増し、
病院も待ち時間が倍になりました。

あまり報道されていませんが、
日本もとばっちりを食っています。

2011年以降、英国は人口増加を抑制するため
EU以外からの移民(日本や米国を含む)を
厳しく制限しているのです。

米国で博士号を取得した
高学歴の科学者は移民できず、

無職の英語を話せない
ポーランド人が無条件に移民できるのです。

これに加えて、難民受け入れの問題があります。

EU加盟国は割り当てルール(ダブリン協定)があるのですが、
どう適応するかの法律そのものは
各国で定めているので、うまく機能していません。

年間10万人にも上る難民受け入れを
どう受け入れるか、

今後ルール改変を含めて
EU離脱の選択が各国で議論されるでしょう。

まず移民問題があってその先に難民問題がある。

今年の大きな流れを理解するうえで、
記憶されておくと良いと思います。

今年は、欧州は選挙ラッシュです。

3月のオランダ総選挙、
フランスの4-6月の大統領選と議会選挙、
9月の独連邦選、

今後のEUの方向を、
もしくはEUの存在そのものがどうなるか、
わかってくる年になります。

ブレクジットの時のように、
相場も大きく動く可能性があります。

デイトレードをやっている人には
待ち遠しくて仕方ないのではないでしょうか。

肝心の欧州の経済ですが、
また機会をあらためて、ご報告したいと思います。

では、次回をお楽しみに。

奥村尚

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